国民的な人気のペンギンは、動物園や水族館では屋内で冷房の利いたところで飼育されたり、必ず泳ぐプールがあって、白い壁やコンクリートに南極や氷山の絵が描いてある寒いイメージの場所で飼育されていることが多いですね。
しかし中には真夏の屋外でも普通にしているものがあります。
なぜペンギンが真夏に外に出ていられて、平気なのでしょうか?
影武者?
日本人はペンギン好きで世界でもダントツ。
ペンギン関連のキャラクターの売上はとても多く、動物園・水族館で飼育されている数も2400羽あまりと世界で最多です。
きっかけは、戦後の南極観測で空前の南極ブームが起こったことでした。
南極に行った捕鯨船が持ち帰った、アデリーペンギンやエンペラーペンギンは日本で大人気となり、動物園や水族館がこぞって取り入れました。
しかし南極産のペンギンは日本では長く生かしておけず、供給も限られていました。
そこで登場したのが、フンボルトペンギン属のペンギン達でした。
フンボルトペンギン、マゼランペンギン、ケープペンギンのいずれも南米アメリカやアフリカに棲んでおり、日本の気候と同じ温帯なので、日本で広がったのです。
いわば南極のペンギンの影武者といえます。
暑さが苦手
南極に棲むペンギンはどうして寒さに耐えられるのでしょうか。
それは脂肪と羽毛で寒さを防いでいるからです。
ペンギンの羽毛は、毛づくろいのときに体の脂をつけてあるので、水をはじき、その根元に生えている綿羽は、ダウンジャケットのように暖かです。
さて氷の上に立っているペンギンの足元を見ると、つま先をあげて、かかとだけつけて立っていることがあります。
これは、皮膚が冷たい氷につく面積を少しでも減らして、足から熱がにげていくことを防ぐためです。
気温がマイナス50度にもなる南極の冬にヒナを育てるコウテイペンギンの場合、寒いときにはおしくらまんじゅうのように未を寄せ合って寒さを防ぎます。
まとめ
寒さに強いペンギンですが、暑いのは苦手なようです。
鳥には汗腺がないため、人間のように暑いときに汗をかいて体を冷やすことができません。
陸上で暑くなってきたら、まずは涼しい日陰に隠れます。
そして、フリッパーを開いて胴体とフリッパーの間に風を通すようにします。
もうひとつの手段が口を開けて、ハアハアとあえいだりする開口呼吸です。
ペンギンは特に暑さに弱い鳥ですが、他の多くの鳥も、暑いときには同様なやり方で熱を逃がそうとします。