動物の生態を調べるときに重要な情報は糞です。
糞からは多くの情報、たとえば食べ物や消化器官の仕組みなどが分かります。
しかしペンギンも含まれる鳥類は、尿は糞と同時に排泄されます。
一緒に?
ペンギンも含めて鳥の仲間は、尿は糞に混ざって一緒に出します。
色が白いことが多いのですが、それは尿に含まれる尿酸という物質が結晶化しているためです。
ペンギンのどの部分から出るかというと、お尻に総排出孔というものがあり、糞も尿も卵もそこから出しています。
鳥は空を飛ぶために体を軽くする必要があり、体内の水分が少なくても良いような構造に進化したと思われます。
水中で潜水中でも糞と尿と出すことができます。
さて卵やヒナを抱いているペンギンは、巣から移動することなく排泄します。
そのため巣のまわりには糞と尿が一緒になったものが放射状の模様を作ります。
ちなみに、卵から孵化するまでの間にヒナの尿はどのようにしているかというと、尿を効率よく結晶化させて卵の中にためています。
消化について
ペンギンが食べたエサは、食道、胃、腸を通り、総排出孔から排泄されます。
体の途中に肝臓、胆嚢、膵臓があって消化を補助しています。
ほとんどの鳥は、腺胃と筋胃という連続した2つの胃をもっています。
筋胃には小石や砂、飼い鳥の場合はカルシウム摂取用の砕いた貝殻などが蓄えられていて、食べ物をすりつぶす助けをしています。
ペンギンも小石を呑み込むことが知られていますが、ペンギンの場合、消化を助ける目的に加えて、効率のよい潜水ができるように体重を増やす目的で、小石を呑み込んでいるのではないかと考えられています。
調べ方
ペンギンの食べ物を調べるときには、ペンギンに嘔吐剤を使用して吐かせて内容物を調べたり、死んだ直後のペンギンを見つけて解剖したり、または調査のために殺して解剖していました。
しかし今では、胃洗浄法といって、胃に温めた海水を流し込んで内容物を吐き出させる方法が用いられています。
胃の中がからになるまでくり返すという、ペンギンにしてみればとんでもないことでしょうが、この方がペンギンに与える負担が少なく、ずっとましな方法なのです。
糞を集めて調べる方法は、ペンギンに負担をかけずに、海岸にどれだけ長くいたかを知ることができます。
糞は、餌を食べて上陸したときは尿酸により白色になっています。
特にオキアミを食べたときは、甲羅の色素によってピンク色になります。
たとえば3日間陸上にとどまり絶食した後は、胆汁の色が出て黄色から緑色に変色します。
まとめ
ペンギンは鳥の仲間ですので、体の構造が鳥に近いものに進化していますが、ペンギンは水中が主な生活場所なので、環境に適した構造に進化しています。