みなさんは、ケープペンギンが絶滅危惧種として、レッドリストに載っていることを知っていますか。
それでは、なぜ、ケープペンギンは、絶滅の危機に瀕しているのでしょうか。
今回は、ケープペンギンがおかれている状況についてまとめてみました。
アフリカ唯一のペンギン
ケープペンギンは、アフリカが原産とされる唯一のペンギンです。
体の模様は、黒と白のツートンカラーで、その体長は約70㎝。
ペンギン好きの日本人にとっても、ケープペンギンの人気は高く、野生のケープペンギンを観察するために、生息地であるアフリカまで旅行に出かける人も増えています。
ですが、残念なことに、この可愛らしいケープペンギンは、現在、約50000羽しか生息しておらず、絶滅危惧種として指定されてしまったのです。
個体数減少の原因は?
ケープペンギンが絶滅危惧種となった責任は、他でもない、私たち人間にあります。
なぜなら、ケープペンギンの個体数が減少するきっかけとなったのは、人による卵の採取だったといわれているからです。
人が、ペンギンの卵をとる目的は、もちろん食べるためです。
1950年代のアフリカで、ペンギンの卵を食べることは、ごく当たり前の行為でした。
それぞれの家庭で、年間2ダースほど消費されていたという記録が残っているそうです。
この卵の採取によって、1960年代には、ケープペンギンの個体数が、30万羽まで減少してしまいました。
その後、ケープペンギンの餌となるイワシなどの魚を、人が大量に漁獲してしまったため、個体数の減少に拍車がかかってしまいました。
その上、地球の温暖化や異常気象により、ケープペンギンの主食である、小魚の生息地が変化してしまうという事態が起きたのです。
ケープペンギンたちは、住み慣れた海や、繁殖地の周辺で、餌を捕食することができなくなったため、栄養失調をおこして保護されるケースが増えました。
この現象は、最悪の場合、ペンギンたちの命に関わってしまうため、とても深刻な問題なのです。
ケープペンギンを守るために
現在、ケープペンギンを絶滅から守るために、政府だけではなく、財団や、民間の保護団体が活動を続けています。
その活動の中には、人工的なコロニーを作る計画もあるそうです。
このコロニーの周辺には、フェンスが張り巡らされ、ペンギンたちを外敵から守ることができるため、ペンギンたちは、安全な環境の中で繁殖できると考えられています。
まとめ
本来ならば、生息地として選ばない場所で、生活しなければいけなくなってしまったペンギンたち。
彼らが住み慣れた土地に戻り、安心して繁殖を行える日が来るよう、心から願っています。