ペンギンは鳥なのに、空を飛ぶことができません。
まわりに天敵がいなかったので、空を飛ぶ必要がなかったと思われます。
そのかわりに、海の中で自由に泳ぎ回ってえさをたくさんとれるように、体が変化しました。
実は羽毛に自分の脂を付着させれことにより天然の撥水効果が生まれ、どんなに泳いでも、潜っても羽毛の下にある皮膚が水に濡れることはありません。
この羽毛は空気を蓄えるので、潜水すると小さな泡が出てきます。
この泡が大変重要なのです。
小さな泡
ペンギンの羽毛の色は、背中は黒色、青色または灰色、腹部は白色です。
フリッパーと呼ばれる翼については、外側は黒色、内側は白色の下地に、さまざまな形の斑点や模様がみられます。
水族館でその泳ぐ姿を見ることが出来ますが、その時背中やお尻の方から空気の泡が出ていることがあります。
この空気は体毛の中に閉じ込められた空気が少しずつ逃げているものです。
ペンギンの体毛は、お尻にある脂の腺から出す脂で毛づくろいすることで撥水効果が備わっています。
また体のすべての皮膚が体毛で覆われているので、ダウンジャケットをきているような状態になっています。
そのため、寒い海の中でも平気で動き回れることが出来るのです。
羽毛は何重にも重なっており、細かい綿羽層という層が上からしっかりとすきまなく覆っています。
潜水すると、水圧で押しつけられて、あいだに水がしみこまないようになっています。
羽毛の間にあった空気は、水圧で少しづつ押し出されるので、潜水してくペンギンの体表から細かい泡が立ち上ることがわかります。
特にエンペラーペンギンは潜水能力に優れており、推進500~600mまで潜ることができると言われています。
このエンペラーペンギンの体には、1㎠あたり約15本の羽毛が生えています。
これらの毛の間に蓄えられた空気が海の中で放出されると、水圧によって微小な泡になります。
この泡が体のまわりを全体的に包むような状態となると、水の抵抗を和らげる潤滑油のような働きが生まれ、泳ぐスピードが数倍も早くなります。
特に水中から陸へ上がろうと飛び出るときに、こうしてスピードを加速することで、ペンギンを食べようと狙うアザラシなどの捕食者から逃れられる可能性が高まります。
空気の小さな泡が空中に飛び出すための力となるのです。
まとめ
ペンギンは飛べない鳥ですが、海中での行動に優れています。
深海に潜ることが出来るし、泳ぎ回っても皮膚は水にぬれない、寒さに耐えることのできる羽毛を持っています。
南極など厳寒の環境で生存する生態をもったペンギンはたくさんの能力を持っています。